文部科学省の専門家会議で、「デジタル教科書」を2020年度に導入しようという案が話し合われているそうです。
現在、デジタル教科書は副教材という扱いになっていますが、文部科学省としては法改正をして正式な教科書として採用したいと考えている様です。
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みなさんデジタル教科書ってご存じですか?

デジタル教科書とは、教科書の内容をタブレット端末に納めたもので、音声や動画のほか、文字・画像の拡大機能を利用し授業の理解を深める効果が期待されている次世代の教科書です。

▼デジタル教科書のメリット
デジタル教科書にはデジタルならではのメリットが沢山あります。
例えば英語の授業で、タブレット端末に表示された英単語にタッチするとネイティブの発音が流れるようになっていて、それを先生役にして自分のペースで勉強することが出来たりします。

すでに、自治体によっては端末を授業に取り入れているところもあるそうです。
東京都の荒川区では2014年度に独自予算で区立小中学校全てにタブレット約1万台を導入しました。
導入した小学校では子供達が休み時間に校庭の花や昆虫を撮影し、図鑑機能で調べるなど、デジタルならではの使い方でデジタル教科書を有効活用しているそうです。
導入している学校の校長先生によると視覚的に学ぶことが出来、学びの幅がかなり広がったとデジタル教科書のメリットを語っています。

このように、紙の教科書では出来なかったことが、デジタル教科書にすることで可能になり、子供達の学習意欲の向上や創造力の養成にも繋がると期待されています。

▼デジタル教科書の課題
一方で配備状況や費用負担などで課題点もあります。
現在のタブレット端末などの配備状況には都道府県や市町村によって大きな開きが出ています。
また、費用面では、文部科学省の 専門家会議では紙の教科書のように無償化するのは当面困難としていて、有償となれば、自治体と個人のどちらかが費用を負担しなねればなりません。もし、個人負担となれば子供がいる家庭にとってかなりの負担となります。低所得者への補助なども検討が必要となるでしょう。

▼健康面で懸念の声も
専門家の中には画面を長時間見続けることによる視力低下や睡眠障害を懸念する声もある。使用時間の制限などのルール作りも必要の様です。

▼通信教育・通信教材からデジタル教科書を考える。
近年、通信教材でもチャレンジタッチやスマイルゼミの様に専用端末を使ったもの、Z会や進研ゼミのハイブリットコースの様にiPadを使ったものなどタブレット端末を使った通信講座が人気です。
その理由はデジタル端末の長所である動画や音声を利用して、より発展した学習に取り組める点やタブレット端末の方が子供達も興味を持ちやすいなどの点にあると思います。この様なタブレット端末の利点がデジタル教科書でも活かせるのであれば、すべての子供が公平使えるよう正式な教科書としての採用に期待します。
ただ学校でタブレット端末を使い、家庭学習でも通信教材のタブレット端末を使用するとなると視力も含めて健康面がちょっと不安です。
以上の様に、デジタル教科書については、まだ検討すべき点が色々とあります。ぜひ文部科学省には利権などではなく、子供達のためにデジタル教科書の在り方をしっかりと考えて欲しいものです。